高松市美術館 1F図書コーナーにて個展「かさなるひかり」を開催します

2025/01/19
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2025/01/19 fujiyasu

高松市美術館 1F図書コーナーにて個展「かさなるひかり」を開催します

 

かさなるひかり
– Layered Lights –

高松市美術館 1階図書コーナー
2025.1.21(火)—3.16(日)

– 展覧会概要 –

 藤安 淳(ふじやす じゅん/1981年東京都生まれ)はこれまで、双子である自身と弟の全身のパーツを接写し対比させた処女作《DZ dizygotic twins》(2007)、時間と記憶をキーワードに同様の手法で父親を撮影した《34》(2009)、さらに他の双子を各々の部屋や思い出の場所で撮影した《empathize》(2012)を発表し、双子であることから浮かび上がるアイデンティティや他者との関係性を探求してきました。

 本展では、これまでのシリーズとは異なる手法で撮影された《Layered Lights》を図書コーナーに展示します。タイトルにも含まれている「光」は色や明暗、陰影を生み出し、その働きによって私たちは対象を知覚できます。光なくして写真も存在し得ません。藤安は、この視覚の根源的な要素である光を通じて、「見ること」や「在ること」の意味を問い直します。

 また、本は私たちの思考や感情に深く関わる存在です。光と本は、それぞれ違う方法で私たちが世界を理解するための手がかりといえるでしょう。これら二つの要素が織りなす展示空間では、一見、それぞれ独立しているように見えますが、互いに影響し合うことで新たな関連性や意味が浮かび上がります。こうした変化が「存在」に対する観る者の認識や感覚に揺さぶりを与えることでしょう。私たちは物事を一面的に捉えがちですが、重層的な色彩を見るなかで、その本質に触れる視点を得られるかもしれません。

 光と本が響き合う空間で、その体験をぜひお楽しみください。

 

– アーティストステートメント –

 視覚とは、光の刺激を受けて生じる感覚である。つまり、「光」がなければヒトを含めた生き物は何も見ることができない。「光」があるからこそ何かを見ることができ、目にした「存在」を認識できるのだ。

 また、人間性とは一面的に語られるものでは決してなく、多面的に捉えることでしか本質に辿り着けない。それは事物の「存在」についても同じことが言えるだろう。人間にしろ、事物にしろ、「存在」というものは様々な関係性の中で相対的に確定されていくのだ。つまり、それぞれの存在が共鳴しあって、共に存在するのだ。その揺らぎに眼を向けることが本質を掴む上で大切なのだと思う。

 そこで、自らの手で身近なものを使い、事物の揺らぎを作り出すことを始めた。揺らぎをカメラのレンズを通して「見て」、「写真」に起こして並べる。そうすると、イメージ内における要素の連関性や、イメージとイメージの間の連関性が見えるようになった。その連関性の間に、事物の「存在」が垣間見えた。

 

– 関連イベント –

・アーティストトーク(無料・予約不要)

「作品が生まれるまで −モダニズム、絵画、建築、そして写真−」

日 時:2025年2月8日(土)14:00-15:30
会 場:1階講堂
ゲスト:速水惟広(T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO / T3 PHOTO ASIAファウンダー )
定 員:100人

 

・親子ワークショップ「きってみる!はってみる!」

《Layered Lights》をプリントした透明フィルムを好きな形に切り貼りして模様を作ります。完成したら懐中電灯やスマホのライトで照らし、壁や天井に現れる模様をみて楽しもう。

日 時:2025年3月2日(日)
               1=13:30-14:30|2=15:30-16:30
会 場:3階講座室
対 象:2歳以上(小学2年生以下は必ず保護者同伴でお願いいたします。)
定 員:各回10人(抽選)
受講料:1000円(材料費500円を含む)
申 込:令和7年(2025)年1月6日(月)~2月9日(日)の間、美術館のWeb内「きってみる!はってみる!」申込専用フォームよりお申込みください。2月14日(金)までに結果をメールでお知らせします。